前篇のジャケットは、男装した遠子先輩でしたが、
後篇のジャケットは振り袖と袴を纏った遠子先輩。
これまでの『道化』、『幽霊』のドラマCDのジャケットは、前篇が遠子先輩、
後篇が各巻のメインキャラ(『道化』は千愛、『幽霊』は蛍)というパターン
でしたが、本作のメインキャラは男の芥川君なので(?)、遠子先輩に再び、
お鉢が回ったようです。
となると、次作『天使』の後篇のジャケットが気になるところです(個人的には琴吹さんと予想)。
随分先走ったことを書いてしまいました。閑話休題。本作の聴きどころの一つは、ゲストキャラの更科を演じる
中原麻衣さんの演技。『ひぐらし』のレナとはまた違った、静かな狂気の演技は、貫禄すら感じさせ、圧巻です。
また、ドラマCDを聴いていると、物語の細部をかなり忘れていることに気づかされます。本作の場合も、作中劇の
場面での遠子先輩の“想像”――“うさぎの人形”をもとに展開される――をすっかり失念していました。遠子先輩
の“想像”が、推理といっても差し支えのない、しっかりしたものであったことを再確認できてよかったです。
映像よりも、原作を忠実に再現できるドラマCDのほうが、《文学少女》シリーズには合っていると
思います。できれば全作――無理ならばシリーズ本編だけでも――ドラマCD化してほしいですね。