『武田信玄』は、1988年に全50回にわたって放送された第26作目のNHK大河ドラマになります。
甲斐の戦国大名である武田信玄(晴信)が主人公。原作は新田次郎の歴史小説の『武田信玄』と『武田三代』。新田次郎小説の大河ドラマ化はこれが初めてとなる。脚本家は田向正健が担当した。前年の『独眼竜政宗』に続いて広義の戦国時代を扱った作品である。武田信玄が主要登場人物として登場する大河ドラマには、上杉謙信を主人公にした1969年の『天と地と』、武田家の「軍師」とされる山本勘助を主人公にした2007年の『風林火山』がある。
初回視聴率42.5%、最高視聴率49.2%、平均視聴率39.2%である。前年の『独眼竜政宗』と僅か0.5%差で史上2位の平均視聴率であり、あわせて大河ドラマ史の絶頂期を形成した作品となっています。
平均視聴率では、前年の『独眼竜政宗』に僅か0.5%差で第2位となっていますが、最終回視聴率では歴代2位(独眼竜政宗は3位)を記録しました。
視聴率のみならず、内容においても大河ドラマ絶頂期の作品だけあって間違いなく非常に骨太の見応えのある作品になっていると思います。
この『武田信玄』第壱集ボックスには、第1回から第28回までが収録されています。収録されている内容は、1536年からスタートして、第四次川中島合戦までになります。
第1回は、天文5年(1536)からスタートしますが、初回から父と子の確執がまざまざと描かれていて大河ドラマに引きつけられます。
今の大河ドラマにはないような重厚さがやはり魅力ではないでしょうか。
第27、28回では、第四次川中島合戦が描かれています。
武田信玄と上杉謙信の互いの駆け引きや攻防が2回にわたって描かれた非常に見応えのある回だと思います。
個人的に好きな回は第9回の武田晴信対真田幸隆の囲碁対決ですね。
初手天元から始まる戦いは、単なる盤上の囲碁対決に止まらず戦国を生きるもの同士の命がけの戦いになっていて最初から最後まで迫力がありました。
また、前半で魅力的なのは、上田原の戦いが描かれた第11回。信濃平定に強い思いを抱く晴信は主立った家臣の反対にも関わらずこの戦いに突き進んでいきます。
結果は、敵の計略にはまった武田晴信の痛い敗北。そして、この戦いで板垣信方(菅原文太)と甘利を討ち死にさせることになってしまいます。
はじめから負けるとわかっている戦にあえて臨んだ板垣と甘利。彼らの「死を以て親方様に諫言した」姿が印象的でした。特に、菅原文太さんの演技は最高でした。
後は、やはり第24回の桶狭間の戦いではないでしょうか。2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』でも桶狭間の戦いは描かれましたが、個人的には、この『武田信玄』第24回の桶狭間の戦いの演出が最初から最後まで完成度において非常に優れたものになっていると思います。
今川義元も単なる凡将とは描かれず、山本勘助とのやりとりでは優れた武将であることがしっかりと描かれていたのが印象的です。
ドラマで桶狭間の戦いを描く場合、たいていは織田信長、今川義元いずれかの描き方が中途半端になったりします。多くの場合、今川義元を凡将として描くことで、織田信長の凄さを演出する手法がとられます。
しかし、『武田信玄』では、織田信長、今川義元いずれの立場も魅力も損なうことなく義元の最期まで描ききった点が他の桶狭間の戦いの演出と大きく異なるのではないでしょうか。
今後、最新の研究結果などを踏まえて今までとは全く違う桶狭間の戦いが描かれることはあると思います。それでも、今川義元の立場や魅力をしっかりと描いている点において『武田信玄』第24回の桶狭間の戦いはドラマ史上最高の桶狭間の戦いであると私は思います。
武田信玄(晴信)役の中井貴一さん
武田信虎役の平幹二朗さん
上杉謙信役の柴田恭兵さん
北条氏康役の杉良太郎さん
織田信長役の石橋凌さん
今川義元役の中村勘九郎さん
板垣信方役の菅原文太さん
大井夫人役と語りをつとめた若尾文子さん
……
皆さん本当に魅力的でした。
あらためて第1回から第28回までを通して視聴して感じたのは大河ドラマ絶頂期の作品だけあって重厚さや勢いが違うということですね。今の大河ドラマにはない「空気」というものを視聴していてまざまざと感じさせられます。
ぜひとも大河ドラマ絶頂期の作品を自分の目で一度視聴してはいかがでしょうか。(2020.10.12記)
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商品の説明
【収録内容】
■第1回 『父と子』
■第2回 『決意の時』
■第3回 『別れ』
■第4回 『運命の出会い』
■第5回 『湖水伝説』
■第6回 『諏訪攻め』
■第7回 『風林火山』
■第8回 『湖衣姫』
■第9回 『女のいくさ』
■第10回 『国造り』
■第11回 『越後の虎』
■第12回 『海の北条』
■第13回 『川中島への道』
■第14回 『尾張の異端児』
■第15回 『母と子』
■第16回 『信濃征服』
■第17回 『虎との出会い』
■第18回 『さらば湖衣姫』
■第19回 『三国同盟』
■第20回 『二百日の対陣』
■第21回 『景虎失跡』
■第22回 『奸風発迷』
■第23回 『信虎変身』
■第24回 『義元討死』
■第25回 『悲劇の発端』
■第26回 『氏康と景虎』
■第27回 『川中島血戦(一)』
■第28回 『川中島血戦(二)』
【出演】
中井貴一、柴田恭兵、紺野美沙子、大地真央、南野陽子、石橋 凌、池上季実子、村上弘明、宍戸 錠、中村勘九郎(第十八代・中村勘三郎)、杉良太郎、平幹二朗、小川真由美、菅原文太、西田敏行 ほか
【語り】
若尾文子
原作:新田次郎 「武田信玄」
脚本:田向正健
音楽:山本直純
○1988年 放送
*DVD7枚組
*収録時間計1265分/カラー
※この作品の映像は、放送当時のものを使用しているため、他の作品とは画質が異なります。予めご了承ください。
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 18.8 x 13.6 x 2.8 cm; 300 g
- EAN : 4988066207167
- 出演 : 中井貴一、柴田恭兵、菅原文太、紺野美沙子、大地真央、平幹二朗 ほか
- 販売元 : NHKエンタープライズ
- ASIN : B00PL9QRFC
- 原産国 : 日本
- Amazon 売れ筋ランキング: - 43,858位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,574位日本のTVドラマ
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年10月12日に日本でレビュー済み
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2017年10月23日に日本でレビュー済み
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ディスク2と4の記録面に傷がありました。どういうこったろう?4はともかく2の方は傷のせいなのか、素材が古いせいなのか画像のなかの一部が粗い、ということがありました。ドラマ本編は武田信玄礼賛のきらいはありますが、重厚で何度観ても面白いの一言ですね。内容は、初回から川中島血戦までです。大河ドラマは腰を据えて楽しめるのが魅力ですね。この頃の大河ドラマは時代考証もきっちりしてますね。本来なら☆5つですが、傷のせいで-1の☆4つとさせていただきました。追記。十八世中村勘三郎さんの今川義元が歴代大河ドラマの中で最高です。
2013年2月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中井貴一主演の傑作大河ドラマ。近年の大河には無い骨太なドラマになってます。俳優陣の演技もよし。今は亡き、故中村勘三郎の
今川義元や、故本郷功次郎の甘利虎泰等は見所。
今川義元や、故本郷功次郎の甘利虎泰等は見所。
2016年5月4日に日本でレビュー済み
前作の独眼竜政宗に続いて地方大名の武田信玄が主人公です。
中井貴一さんの演技力がすごい。特に終盤の病みながらも
上洛を目指す信玄の鬼気迫る演技は思わず唸ってしまいました。
他の大河ドラマと比べてもこの作品は全体的に「暗い」印象を受けます。
戦や謀略では連戦連勝な信玄も、家庭では不器用な父親であり、
妻や息子との衝突が絶えません。家族との触れ合いは、息抜き的な
場面で使われますが、この大河ドラマではその息抜きも緊張感が
あるものになっています。むしろ軍議をしている場面のほうがリラックスできます。
謙信との対決も見どころのひとつですが、父と子の確執もとても丁寧に描かれていました。
父の信虎、息子の義信。2人との確執と衝突は悲劇を生んでしまいます。
父から愛されなかった信玄は、子の愛し方を知らなかったんだろうなと感じました。
全体的に暗い雰囲気ですが、実に骨太な大河ドラマです。
現在ではまず同じものは作れないだろうなと思います。
演じる俳優さんも実力派揃い。音楽もいい。文句なくおすすめできる作品です。
中井貴一さんの演技力がすごい。特に終盤の病みながらも
上洛を目指す信玄の鬼気迫る演技は思わず唸ってしまいました。
他の大河ドラマと比べてもこの作品は全体的に「暗い」印象を受けます。
戦や謀略では連戦連勝な信玄も、家庭では不器用な父親であり、
妻や息子との衝突が絶えません。家族との触れ合いは、息抜き的な
場面で使われますが、この大河ドラマではその息抜きも緊張感が
あるものになっています。むしろ軍議をしている場面のほうがリラックスできます。
謙信との対決も見どころのひとつですが、父と子の確執もとても丁寧に描かれていました。
父の信虎、息子の義信。2人との確執と衝突は悲劇を生んでしまいます。
父から愛されなかった信玄は、子の愛し方を知らなかったんだろうなと感じました。
全体的に暗い雰囲気ですが、実に骨太な大河ドラマです。
現在ではまず同じものは作れないだろうなと思います。
演じる俳優さんも実力派揃い。音楽もいい。文句なくおすすめできる作品です。
2004年8月14日に日本でレビュー済み
全体的には戦国大河の中でも良い出来だと思います。演出はダイナミックだし、音楽がまた良い!役者さんでは杉良太郎、中村勘九郎、児玉清の3人はもうこの役はこの人たち以外考えられないと感じられる程の出来だと思います。また、平幹二郎のいつもどおりのこ~い演技はやっぱり楽しめます。でも 中井・信玄、柴田・謙信、西田・勘助、熱演だとは思うんだけど、ちょっと違いすぎるなぁ。特に信玄は「影武者」DVD特典映像の勝新太郎を見ちゃうと、誰が演ってもそう感じるのかもしれませんが・・(ちなみに「武蔵」の中井・宗矩はスバラシイ!)やっぱり信玄公だけは有名な肖像画みたいなステレオ・タイプを大事にして欲しかった。 取り合えずちゃんと髷は落として入道になって欲しかった。勝新・秀吉や津川・家康くらい「抜けちゃう」と捻じ伏せられちゃうんですが。・・・残念だな。
2006年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
放送当時中1でした。最近のアイドル起用やホームドラマ化しつつある軟派な大河の中どのキャスティングも完璧にハマッてる今作品はまさに傑作!購入時はやはり高価な為、かなり迷ったけど実際改めて見直して買って良かった!と実感した。南野陽子のファンだったので紺野美紗子や小川真由美に散々苛められるシーンは見てて辛かったし、あまりにも呆気なく死んでしまったのが・・・若き中井信玄をしっかりサポートするベテラン俳優陣の名演も素晴らしいし、若尾文子の名ナレーション 「今宵はここまでに・・・」が聞けるだけでも感涙!
2011年9月11日に日本でレビュー済み
小学生の頃はじめて見た大河シリーズですが、この頃の大河って、レビューでもよく「面白い」と書かれるわけが改めて見てよくわかりました。当時はわかりませんでした。
必ずしも正しい人間性をもっている「武田信玄」ではない。
むしろ、正義の味方っぽく描かれているのは上杉謙信。
人を欺きもすれば、嘘もつき、野心深い。
こんなリアリティのある戦国武将を描いた作品はなかなかお目にかかれないですね
役者の皆さんもほんと上手くて、引き込まれました☆
必ずしも正しい人間性をもっている「武田信玄」ではない。
むしろ、正義の味方っぽく描かれているのは上杉謙信。
人を欺きもすれば、嘘もつき、野心深い。
こんなリアリティのある戦国武将を描いた作品はなかなかお目にかかれないですね
役者の皆さんもほんと上手くて、引き込まれました☆
2013年3月14日に日本でレビュー済み
この作品を観て、脚本家の田向正健さんのファンになりました。今に至るまで、NHK大河ドラマの中では不動のNo.1作品です。
私は大抵の場合、大河ドラマの内容をほとんど忘れてしまうのですが、これだけは、あんな場面やこんな場面、感動した場面や物語の流れを、とてもよく覚えています。それくらい「濃い」作品でした。
「独眼竜政宗」が作り上げた大河ブームの後に、鳴り物入りで制作された作品。そのためか大変な視聴率だったようで、アンケートを取っても常に一、二位を争う位置にあることから考えても、もしかすると日本人が一番一生懸命観ていた大河なのではないでしょうか。
あらためて観てみると、決して明るいドラマではありません。暗く、重々しく、最後の方は哲学的です(八千年の春には感動しました)。ギリシャ悲劇かシェイクスピアか、という趣があります(平幹二郎さんが出演しているので、よけいにそう思うのかも知れません)。しかし、それでいてとても日本的で、そして泣かされます。あるレビュアーの方が、心に染みこむ、と書いておられますが、まさにその通りです。山本直純先生の音楽が最高で、ますます涙を誘います。
ああ、昔はこんなに凄いドラマがあったんだなあ、と、しみじみ思ってしまいます。私にとっては、いつまでも凄いパワーを感じさせてくれる、究極の大河ドラマです。
私は大抵の場合、大河ドラマの内容をほとんど忘れてしまうのですが、これだけは、あんな場面やこんな場面、感動した場面や物語の流れを、とてもよく覚えています。それくらい「濃い」作品でした。
「独眼竜政宗」が作り上げた大河ブームの後に、鳴り物入りで制作された作品。そのためか大変な視聴率だったようで、アンケートを取っても常に一、二位を争う位置にあることから考えても、もしかすると日本人が一番一生懸命観ていた大河なのではないでしょうか。
あらためて観てみると、決して明るいドラマではありません。暗く、重々しく、最後の方は哲学的です(八千年の春には感動しました)。ギリシャ悲劇かシェイクスピアか、という趣があります(平幹二郎さんが出演しているので、よけいにそう思うのかも知れません)。しかし、それでいてとても日本的で、そして泣かされます。あるレビュアーの方が、心に染みこむ、と書いておられますが、まさにその通りです。山本直純先生の音楽が最高で、ますます涙を誘います。
ああ、昔はこんなに凄いドラマがあったんだなあ、と、しみじみ思ってしまいます。私にとっては、いつまでも凄いパワーを感じさせてくれる、究極の大河ドラマです。