当方来年齢にして50に達する、自称最高齢のフレンズ”重度”罹患者です。もう書斎の一角はちほー化が進む状態にある始末、フレンズの皆様はいかがお過ごしでしょうか? アニメ本編が終了してもなお罹患率は悪化の症状を辿っていますが、個人的には幸せです
ストーリーに触れる事は適いませんが、非常に練られていた舞台でした。印象としては「舞台演劇」を土台としつつも、随所に時事ネタや思わずクスッとしてしまう文明の利器、キャスト試練アドリブ、あまぞんちほーに起因するアイロニカルなコントに客席イジリといった、より客席や観ているこちら側にフックしやすい多くのスキットが散りばめられており、作品世界に溶け込みやすい構成になっていて終始楽しめた2時間でした
キャストを見てお分かりの通り、アニメ版と違ってヒトの固有性を持つ”かばんちゃん”といった英知が無い分、舞台上のフレンズさん達がより本来の種族に寄った性格付けがされており、かばんちゃんならすんなり物事が運びそうな些細な事にも腐心している姿がもどかしくも愛おしく感じました(フレンズ版はじめてのおつかい、という感じ)。収録版が9公演の千秋楽という事もあり、舞台終了後はフレンズさん総出でご挨拶があるんですが、アライさんとフェネックちゃんにはやられました・・・そしてサーバルちゃんね・・・一人で観ててよかったよマジで(笑)
映像特典も見応えがあり、声優さん達が各フレンズを舞台で演じるにあたり、自分達が吹き込んだアニメ版を再度見直して細やかな仕草や固有の癖をフィードバックさせ舞台上の役に反映させているという技術には驚かされました。出演されている舞台系の役者さんに役柄の掴み方や呼吸・間の取り方や動き方を学ばれて、この舞台に対する真摯な姿勢には感服です。舞台稽古風景もあり、普段着での練習ながら舞台モードの真剣な表情と、舞台上で動き回った際の干渉度を体感する為にしっぽを付けて稽古されていたのが印象的でした
この作品に携わられた全てのキャストさん・スタッフさんと関係者の皆様に改めて深謝致します。2018年1月の再演も映像化期待しています
今年アニメ生誕100周年の節目に当たり、これほどまでに世代・メディア・コンテンツを超え、後世に語り継がれるべき作品は今後お目にかかれるか、というレベルだと感じます。私事ですが、あと50年ほど生きて、アニメ生誕150周年記念番組で、この「けものフレンズ」が特集されるのを、孫や玄孫に囲まれて視聴しながら100歳を迎えつつも人生の幕を下ろす、というのが夢であります(出棺時には”ぼくのフレンド”を流すとお願いするつもり)
ですからどうか、子や孫に、その子や孫がその子供たちに、この作品を語り継がれるべき永劫不滅のコンテンツとして、胸を張ってその素晴らしさを語れるように、今この時節での”足踏み”を見直して頂きたく思います。今後も長きにわたり人々に笑顔と幸せを届け続ける作品を、アニメ文化が歴史を刻み続ける限り、色褪せない輝きを放ち続ける傑出した作品を、区切りの年に頓挫させてしまうような、そんな事態だけはどうか思いとどまって欲しいと切に願います。今後に語り継がれるのが、作品の素晴らしさをスポイルして「内部係争」の顛末だったら、本当に悲しすぎます。私達は何れ肉体が滅んでも、作品は語り継がれ生き続ける、その遠大なスパンを、今で終息させてしまうなんて、作品を愛してくれている(私を含めた)多くのファンと、なにより「けものフレンズ」という”魂の宿った”作品がとても可哀そうでなりません
「うちのひいおじいちゃんはけものフレンズの話しかしなかったけど、僕が育てられたこの作品を、今度は自分の、生まれてくる子供たちに聞かせようと思うんだ」子孫たちがそんな会話をしているのを、仏壇越しに聞きたいんです
50のおっさんの詰らない戯言でお目汚し大変失礼致しました