![ミステリーボニータ 2018年 12 月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Fmk4gjXSL._SY445_SX342_.jpg)
『逃げる少女～ルウム復活暦1002年～』の第1話「出会い」
➡ ルウム復活暦1000年の「旧魔国」イドラグールでの冥王復活を阻止した最終章で完結したデビュー作『辺境警備』より2年後の同じ世界を舞台とする「緊迫のファンタジー逃亡劇」と銘打たれた作品。絶え間なく続く戦争で家族を失い、除隊した元兵士の主人公セス♂は「灰色（グリセオ）の森」で動けなくなっている少女♀を見つけるが、恐怖に囚われた彼女は逃げ去ってしまう。しかし、体力の限界を超えた疲労で再び倒れ、セス♂に運ばれた宿屋で目覚めるも少女♀を襲う異常現象で逃げ出し、放っておけないセス♂に保護される。ぶすったれ、放っておけない性格は『呪われた男』の主人公ブライク♂に似ている。
『辺境警備』及び『グラン・ローヴァ物語』の舞台となる世界は、遥か昔に神と9人の使徒により造られたと神話は伝える。しかし、使徒のうち「闇」が己だけの創造を望んだために地に堕ち、地の底で「冥王」を生んだため、それ以降に生み出された生き物は「闇」の影響を受けて調和を拒む性質を帯びるようになった。『辺境警備』より1000年前、冥王の侵攻による「大暗黒｣が訪れた時、後に「エルディア救世王」と呼ばれることになる当時のルウム王の第3王子ローランド♂と、風狩人の少年セルリオン♂が「冥王」を倒した。本作及び『グラン・ローヴァ物語』、更には、『逃げる少女～ルウム復活暦1002年～』の作中世界で使われている「ルウム復活暦」はこれを記念して制定されたものだ。
世に「エルディア救世王」と称えられる伝説の英雄王ローランド♂とは『辺境警備』の「背高さん」と呼ばれる黒ずくめの「剣の賢者」のことだ。「冥王」を倒した代償か、「銀晶球」の魔剣の呪いか、彼は不老長寿となり生き続け、娘エルウィング♀も不老長寿となって少年のアベル♂を誑かし、青年に成長して婚約者イヴリン♀から奪って彼女を不幸にした悪女だ。『辺境警備』の終盤、呪いの長寿も終焉を迎えて「背高さん」は孫息子である「神官さん」ジェニアス・ローサイ♂に別れを告げて去った。そのため、「背高さん」が『逃げる少女～ルウム復活暦1002年～』に登場することはないだろう。
『9番目のムサシ サイレントブラック』の「Mission2：episode20」
➡ 篠塚高（No．9）♀の裏切りは更なる裏切りを呼ぶ。事実婚逆転夫婦の夫・橘慎悟♂を裏切り、自殺の口実に「慎悟を守る」というお題目で慎悟を裏切たDIV♂がDナンバーからの逃走手段と見せかけて自身を追って戻れないよう檻とした電車に篠塚♀の拘束で慎悟♂を閉じ込め、そのDIV♂に頼まれて生存情報を隠して彼を追って旅立つ決断の根拠となる情報を隠蔽し、旅立つ機会を潰しただけでは飽き足らず、宮本慶太♂というお荷物要員が傷を癒す良薬となるから「DIV♂は死んだ」という爆死詐欺の協力を嬉々として請け負い愚劣な陰謀に加担した。篠塚♀はDIV♂の奴隷になり下がった。
もっと悪いことに篠塚♀を制止すべき同格のNo．7♀までもが篠塚♀に同調し、イックたち「影」を踏み躙る企みに加担した。「影」はトップナンバーの分身、その心を理解して補佐する直属の部下、側近、ましてやイック♂は片腕なのだ。それを篠塚♀自身が蔑ろにし、No．7♀や部外者のそもそもの元凶DIV♂や元「赤い馬」のフランツ♂、DIV♂の金魚のフン「異端のD」と直結して彼らを動かして「JBF」の壊滅を図るなんて間違っている。イックたちはどうなる？ 彼らを危険に晒したくない？ 篠塚♀の「個人の事情」を発端とする事案だからUBメンバーを動かしたくない？ 篠塚♀がどうあっても「オペレーションA」という自身が敵中に赴く「火中の栗を拾う」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」「トロイアの木馬」を実行したいなら、裏切らずに慎悟♂に包み隠さず打ち明け、公私共に献身するイック♂とその相方のNo．23♂の了承を得るべきだった。
レッドスクランブル「Mission7」で反対することが明白なイック♂を説得する時間を疎み、彼の諫言を嫌い、刑務所潜入の直前まで篠塚♀自身が潜入することを隠蔽し、蔡建明♂の居場所が特定できてもNo．7♀に直接連絡して救出作戦の協力を求め、UBオクラホマ支部（作中では何故か「UB南部アメリカ支部」となっている）で心労に苛まれるイック♂を無視した。口うるさく小言を言うのは心配の現れなのに、それが篠塚♀は煩わしいと避ける悪癖が一向に治らない。
自身が危険に飛び込んでも周囲を危険に晒したくない、何もかも自分自身が抱え込み、他人を信じようとせずに任せない、慎悟♂やイックたちを安全地帯に隔離する、部外者すらも動かして部下を蔑ろにしたばかりかNo．7♀を介して同調圧力で押し潰す。何もかもが篠塚♀とDIV♂はお互いの鏡像の如く一致し、自分自身しか信じずに他人を踏みつけ、先回りして計算して自身の過ちを認めようとせず、謝るとしても自身ではせずに他者に伝言という形を取る。信じる価値は無い。まあ、DIV♂は篠塚♀をフリーの男性タイプにしただけだから、脇役の分際でMBやコミックスの表紙を独占するのも作者の我が儘でそうなる。レッドスクランブル最終章以降を私はDIVと「異端のD」に限定して否定している。裏切った篠塚♀を慎悟♂の手で石やレンチで撲殺・廃人、刺殺、絞殺する光景を想像したくなるくらい憎い。
本当に『9番目のムサシ』はもうダメだ。
『変幻退魔夜行カルラ舞う！【湖国幻影城】』最終話
➡ 最低な結末だ。白妙♂は副人格で戸籍名「杉尾白」が生来の主人格という設定を作り出し、白妙♂と翔子♀を引き裂いた永久保貴一もダメダメ人間だ。
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